2月9日~2月13日、MV AGUSTA正規ディーラー『MV AGUSTA 名古屋』『MV AGUSTA 東京』『スナダオート』『TIO』『カスノモーターサイクル』『モトワークス』のスタッフと、弊社MV AGUSTA JAPANスタッフが、イタリア・MV AGUSTA本社のファクトリー研修に行ってきましたのでレポートします!
2月11日午前中にMV AGUSTA S.P.Aに到着し、早速マーケティングリサーチ担当者より、今後の構想についての説明を聞きました。
その後はカスタマーサービスの担当者のアテンドで工場見学をしました。残念ながら撮影はNGでしたが、燃料タンクのサブアッシー作成シーンなど一部許可を得ましたので、ご紹介しましょう。
生産台数増加に伴い、サプライヤーから上がってきたタンクの塗装を1つ1つ太陽光にてチェックをしながら、ポンプなど付属品を取り付けるサブアッシー担当を配置。基本として専属のスタッフが1人で判断するようです。
サプライヤーから上がってきたシリンダーヘッドに、ラジアルバルブ用(4気筒)の穴を工作機械で開けます。斜めの穴あけの機械は非常に珍しいそうです。
次に面取り、バリ取りを職人が1つ1つ手作業で行います。MV AGUSTAはここにこだわりがあり、当面オートメーションにするつもりはないとのことです。
クランクケース、シリンダーヘッド用の窯にて熱処理、冷却処理。
エンジンのシャフトの公差を特殊な機械で測定した結果を、エンジンに打刻していきます。
その後、3D測定器で穴位置等を測定。ここには製品のチェックと切削機械の刃のチェックも同時に行います。
通常のラインは2ラインあり、エンジンラインと組み立てラインに分類されます。
エンジンラインで完成したエンジンは、全機ベンチ室にて完成検査を行った後、車体組み立てラインに運ばれます。
エンジンの完成検査室。MV AGUSTAは、エンジンアッシーをベースに、様々なサブアッシーを取り付けていく手法を採用しています。(通常の車両はフレームに後からエンジンを取り付けます)
完成した車両は全車、再度完成検査としてシャーシダイナモにて走行テストが行われます。
工場見学の後には、ジョバンニ・カスティリオーニ社長との面談があり、将来の活動計画や方向性などを話しあいました。堂々とMV AGUSTAのことを語る一つ一つの仕草、空気感は人を魅了するものがあります。情熱や誇りをたくさん感じることができました。
いたるところにこのようなイラストが飾られていました。ベニヤ板に描かれていてポップな印象。トイレのマークもMV AGUSTAの歯車模様でかわいかったです。
翌日はサンマリノへ移動し、パウロ・ビアンキ社長のアテンドでCRCを訪問しました。CRCは1992年に当時のCAGIVA100%出資の会社として設立。現在もMV AGUSTA S.P.Aの子会社で、MV AGUSTAの車両デザイン、車体設計、試作車を主に担当しています。20年間生産された車体の全てがCRCによってデザインされています。
(エンジンの設計は、MV AGUSTA本社が担当しています)
CRCは主に設計部門、パーツ作成部門の2部門に分かれています。
CRCの試作車では、ほぼ100%社内で作成したパーツを使っています。
MV AGUSTA本社と雰囲気が異なり独特な緊張感に包まれていました。
しかし、我々が設計室に入っていくとニコッと挨拶をしてくれる気さくな方が多く、ビアンキ社長の指示で、見せたいCAD画面に切り替えてくれて、とても親切でした。
パウロ・ビアンキ社長と記念撮影。会社には独特な緊張感がありましたが、社長はじめスタッフの方はとても気さくでした。
実際に見て、話を聞いていると、やはりMV AGUSTA S.P.AとCRCのスタッフは皆さんMV AGUSTAが大好きで誇りを持って仕事していることが伝わってきました。それは、同行したディーラー様にも伝わったようで、「丁寧にやってくれているから、私たちももっとお客様に伝えなければ」と聞こえてくるほど。
大切な箇所は職人が手作業をしていたり、全エンジン、全車完成検査が行われたり、伝統のようなものを重んじている部分があり、「それらが車両に、そしてオーナー様にパッションとして伝わる」と案内頂いた担当者は話していました。
エントラント、廊下、部屋の様々なところに新旧問わず写真やアグスタの絵が飾られていて、いつ何処にいてもMV AGUSTAへの情熱が伝わるような気持ちになります。ゲストへのアピールだけでなくスタッフ一人一人がMVへの情熱をキープできる秘訣かもしれません。
MV AGUSTAを販売するうえでジョバンニ社長や他のスタッフの情熱、誇り。それは我々も負けてはいません。全てオートメーションで、自分が何のどの部分を作っているかわからない工業製品ではなく、本当の意味で『MOTORCYCLE ART』をオーナーに届ける感覚をさらに身に付けていこうと思います。
これからのMV AGUSTAに期待してください!