和歌山利宏がEICMA2019でのMVアグスタのブースの様子をお伝えさせていただきます。
今年もEICMAのMV AGUSTAブースにやってきました。
ただ、昼間の混んでいる時間帯に行ったら、文字通り立錐の余地もない状態。終了間際の夕刻に出直すことにしました。しかも、今回はアポなしの訪問なので、誰か知っている人を見つけたら、その人に案内役と説明をお願いするという行き当たりばったりの作戦になりました。そこで、私に見つかってしまったのが、MV AGUSTA社でイベントのコーディネーターを務めるロレンツォ・ラナータさん、新型車の試乗会でもお世話になっている方です。ただ、ラナータさんに自身の写真撮影はお断りされたので、了承ください。彼がシャイというよりは、これが担当ではないという遠慮もあったのでしょう。でも、スタッフ全員が内容を把握していて、しっかり私の要望に応えてくれるのは、さすがイタリアンメーカーです。これが国産メーカーだったら担当者以外は動いてくれないところです。彼について付け加えておくと、いかにもイタリア人らしい濃い顔のいい男としておきましょう。
さて、ブースの構成そのものは、昨年とほぼ同様で、かつてアグスタ家の生業でもあったリンゴを積んだリヤカーが置かれ、そのリンゴをかじりながら歩く人も多く目に付きます。特設のアパレル商品ショップが賑わっているのも相変わらずです。
ともかく、出展モデルに注目していきましょう。
まず、ニューモデルの目玉となるのは、やはりRUSH 1000です。BRUTALE 1000 RRがベースなのですが、ドラッグレーサーをイメージさせるアグレッシブさです。細部を見ても、カーボン製のリヤホイールカバー、LEDをユニークに使ったヘッドライト、コンパクトなリヤシートやテールライトが大変にユニークです。また、オーリンズNixの電子制御サス、ブレンボのStylemキャリパーと装備も最高峰品です。
BRUTALE 1000 RRも、ダイナミックに変身しています。Serie Oro同様、4本出しアップマフラーや、サイドのウィングも個性を強調しています。208psを発揮し、乾燥重量は186kgですから、走りもエキサイティングに違いありません。
そして、F3 800をベースとするSUPERVELOCE 800 Serie Oroもレトロチックな異彩を放っています。昨年もプロトタイプが出展されていましたが、ヘッドライトやウィンドスクリーン部に手が入れられ、300台の限定車として市販されるそうです。
ニューモデル以外にも注目すべきものがあります。まず、2020年型では、イタリアンらしく赤に塗られたROSSO仕様が、BRUTALE 800、DRAGSTER 800、SUPERVELOCE 800に用意されます。これらの車輛はベーシックグレードなので普及版と考えていいようです。
そして、TURISMO VELOCEに採用されたオートクラッチSCSが、BRUTALEやDRAGSTERに装着され始めたこともエポックです。また、パーツとして販売し、ユーザーが後付けで装着できるようにもするとのことでした。また、75周年記念車として、ややベーシックなカラーリングで登場したF3も目を引きました。
もう一つ、バイクのシルエットが描かれたオブジェが3つ展示されていて、そのバックの壁には、「次世代の350ccレンジ」とあるではないですか。聞けば、どうも350ccのベーシックモデルを2021年に登場させる計画があるようです。
というわけで、今年も注目すべきもの一杯のMV AGUSTAでした。