3気筒プロジェクトの新しい頂点
メーカー希望小売価格(消費税込):¥1,792,800
※掲載画像はイタリア本国仕様であり、日本仕様とは異なる場合がございます
ブルターレ675は、新しい技術とスタイリングのコンセプトを打ち立て、傑出した性能、後の基準となるようなデザイン、そしてレースグレードのサイズや重量によって生み出される驚異的なハンドリングを、初めて提示したモデルです。ブルターレ800RRは、そのプロジェクトの核心にあった勝利への直感を再確認するものです。140hp/13,100rpm、86Nm/10,100rpm(本国仕様)と、エンジンパフォーマンスはさらに上がり、リファインされたシャシーと豊富な標準装備によって、パッケージとしての完成度もさらに向上しています。
オリジナルへの忠実さは、ブルターレプロジェクトがいかに正当なものであるかを証明するものです。コンパクトで、滑らかに一体となったボリューム、完璧なプロポーション、細部まで徹底してこだわった造り込み。MVアグスタブランドのスタイリングへの一貫性。それらがこのモデルを、右に出るもののいない、イタリアン・クリエイティビティそのものを象徴しています。レッドにペイントされたシリンダーヘッドと、ソリッドブラックのコンパクトな並列3気筒シリンダーが見せるコントラストなど、美的観点におけるいくつかの特徴は、ブルターレ800RRを即座にそれだと認識させるものになっています。機能をアップグレードしながら、味わい深いゴールドをまとったマルゾッキ製フロントフォークの新しいフィニッシュもそのひとつです。シート形状はライダーとパッセンンジャー両方の快適性を向上するため変更されましたが、目を引くステッチなどは、細部へのこだわり、MVアグスタが育んできた文化を象徴するものです。LEDのテールライトは最新の機能を備え、視認性を上げることで追突に対する安全性を高めていますが、リアエンドのスタイリング向上にも貢献しています。アルミ鋳造ホイールには、5本スポークの新しいデザインを採用しました。カラーも特徴的です。ロッソ・ショック・ペルラート(パール・ショック・レッド)/ビアンコ・アイス・ペルラート(パール・アイス・ホワイト)のコンビネーションは、伝統的なMVアグスタカラーを連想させます。優美なグリジオ・アヴィオ・メタリツァート(メタリック・アビエーション・グレイ)/ネロ・カルボニーオ・メタリツァート(メタリック・カーボン・ブラック)は、落ち着いたテイストでまとめました。グラフィックはブルターレファミリーとして一貫性があるものですが、ブルターレ800RRにおいては、“RR”という特別なグループに属していること、つまりイアリアンメーカーのフラッグシップモデルであることが強調されています。
MVICS 2.0:この略語は、“RR”の称号と同じように、MVアグスタが3気筒プロジェクトをスタートさせた直後から、その野心的な開発の道のりで得た見事な成果として、大切にしてきました。技術パートナーを探すにあたっては、モーターサイクル業界のみならず、四輪界の豊富な経験も視野に入れ、大胆かつ懸命な努力を重ねました。その結果、MVアグスタのお客様に、“2.0”という比類なきパフォーマンスを備えた電子制御システムをご提供できることになったのです。MVICS 2.0(モーター&ビークル・インテグレーティド・コントロール・システム)は、高精度かつ柔軟性があり、さまざまなライダーに対応する能力を備えたシステムに仕上がっています。スポーツ、ノーマル、レインという3種類のマッピングが標準でセットされており、街中、あるいは滑りやすい路面においても、ライダーは低回転域からスムーズかつ正確にトルクをコントロールすることができます。同時に、3気筒エンジンが備える積極的なスポーツスピリット、特にRRでは140hp(本国仕様)のパワーを気持ちよく発揮させることができます。このシステムは、多才なツーリズモ・ベローチェから、スーパースポーツのF3 800、元気いっぱいのドラッグスター800RRまで、大きく異なるキャラクターを持ったモデルに採用されながら、それぞれに合った特性に仕上げることができる柔軟性を鍛えてきました。さらにカスタムマッピングが、ライダーひとりひとりに対応します。エンジンレスポンス、レブリミッター、トルクレスポンス、スロットルレスポンス、エンジンブレーキなどの設定を調整することができるのです。しかもハンドルバーのスイッチを操作するだけ、特別なノウハウを必要とすることなく数秒で行えます。
クラッチ操作なしのシフトチェンジも、問題ありません。新しいクイックシフター“EAS 2.0”が、ブルターレ800RRのスポーツ性を存分に発揮させます。ドラッグスター800RRと同じく、このセグメントにおいて初めて電子制御式ダウンシフトコントロールシステムを装備しました。MVアグスタのたゆみない技術進化を、ここでも体感していただけるでしょう。さらに機械式のスリッパークラッチが、この素晴らしい特徴を完璧に仕上げます。公道ではコーナーへ普通に進入する時、サーキットではブレーキングの最終段階において、高い効果を発揮してくれるはずです。
8段階調節のトラクションコントロールも、見逃せない装備です。スロットル開度、点火時期、燃料噴射を制御するこのシステムは、作動をキャンセルすることもできますが、ブルターレ800RRに合わせた開発が進められ、性能を上げています。
1,380mmのホイールベース、95mmのトレール。ブルターレ800RRは俊敏に向きを変えます。ALSスチールパイプで構成されるフレームは、高品質高精度で溶接され、素晴らしい曲げ剛性、ねじれ剛性を獲得しながら、軽量さも兼ね備えています。フレームは2つのアルミ合金プレートによって構成される、ピボットポイントによって完成します。スイングアームは片持ち式でアルミ製。シャシーにおける、もうひとつの特徴的な要素になっています。
サスペンションのクオリティは、バイクの性能、走る喜びに決定的なインパクトを与えます。だからこそMVアグスタは、比類なき滑らかさと調整能力を備えたサスペンションを、ブルターレ800RRのために選びました。フロントエンドのパフォーマンスを上げるためには、ステアリングダンパーも必須です。CRCによって設計され、調整機構も備えています。新しいφ43mmのマルゾッキ製フロントフォークは、従来のブルターレに装着されていたユニットよりも軽量に仕上がっています。“エイジド・ゴールド”のアルマイト処理により、見ためも特徴的です。また、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングの採用も見逃せません。表面硬度を上げることにより耐久性が向上し、作動はさらにスムーズになります。もちろん調整機構も備えており、伸び側と圧縮側の減衰力、プリロードをアジャストできます。ザックス製のリヤショックも同様のフルアジャスタブルで、ホイールトラベルは前後とも125mmです。
ABSの標準装備と高い減速性能の両立は、ブレーキシステム開発の基本であり、フロントにはφ320mmのディスクと、ラジアルマウントのブレンボ製4ピストンキャリパーを採用しました。キャリパーのピストン径は32mmです。リヤはφ220mmディスクに、ブレンボ製2ピストンキャリパーを組み合わせています(リヤのキャリパーピストン径は34mm)。ボッシュ9プラスABSシステムには、RLM(リヤホイール・リフトアップ・ミティゲーション)を装備。洗練されたアンチロックシステムとリンクして機能し、ブレーキング時における後輪のリフトアップを緩和します。
このモデル専用に設計されたホイールは、渦巻き状の外観とした5本スポークのアルミ鋳造タイプです。リム幅3.5インチのフロントには、120/70-ZR17のピレリ・ディアブロ・ロッソIIを装着。5.5インチのリヤには、180/55-ZR17サイズを装着しています。
最も進化した並列3気筒は、世界のどこにあるか。MVアグスタ・ブルターレ800RRに搭載されたエンジンこそが、パフォーマンス、コンパクトさ、軽量さ(52kg)、そして最先端の技術が集約されたものであり、このセグメントにおけるリーダーだと言えるでしょう。テクニカルデータを見て考えられることとは逆に、MVアグスタのこの仕様は、148hp(本国仕様)を発揮するF3 800のパワーユニットではなく、ブルターレ800の3気筒エンジンにいくつかの重要な改良を加えたものです。ブルターレ800ドラッグスターRRと共有する140hp/13,100rpm(本国仕様)という数値を実現するために、重要な役割を果たしたもののひとつは、新しいデザインのエアボックスです。フューエルタンクを変更する必要がありましたが、16.6リットルの容量を損なうことなくモディファイを進めました。外観では分かりませんが、この新しい形状のエアボックスの採用により、φ50mmスロットルボディの高い位置にインジェクターを設置することができました。この新しい特徴は、Eldor EM2.0 ECUとミクニ製フルライド・バイ・ワイヤーのスロットルボディで構成される、燃料噴射システムを進化させました。ブルターレ800ドラッグスターRRを除く他のブルターレモデルでは、1気筒につき1本のインジェクターですが、1気筒あたり2本のインジェクター、つまり全部で6本のインジェクターを装備することになりました。これにより、高回転域におけるパワーを犠牲にすることなく、スムーズかつプログレッシブな出力を低中回転域で発揮できるようになったのです。13,100rpmで発揮される140hp(本国仕様)のパワーと、10,100rpmで発揮される86Nm(8.77kg-m)(本国仕様)のトルク。このエンジンにより、ブルターレ800RRはより大排気量のエンジンを搭載するバイクとも、競えるようになりました。これは、並外れたパワーウェイトレシオのおかげでもあります。また、新しい油圧式チェーンテンショナーが、ノイズの低減と信頼性の向上を実現しています。レーシングスタイルの逆回転クランクシャフトは、車体の向きを変える際に影響する慣性を減らすための理想的なアイテムであり、カセット式の6速ギヤボックスは、サーキットごとにセッティングを変えたいという要求に応えます。
エンジン形式 | 4ストローク 3シリンダー 12バルブ “DOHC” |
総排気量 | 798cc |
圧縮比 | 13.3:1 |
ボア×ストローク | 79.0mm×54.3mm |
エンジンマネージメント | MVICS 2.0 イグニッションシステム(MOTOR & VEHICLE INTEGRATED CONTROL SYSTEM)
4エンジンマップ(ノーマル・スポーツ・レイン・カスタム) 8段階調節トラクションコントロールシステム |
ギヤ | カセット式6速 |
クラッチ | 湿式多板クラッチ |
全長×全幅 | 2085mm×725mm |
ホイールベース | 1380mm |
シート高 | 810mm |
最低地上高 | 160mm |
始動方法 | エレクトリック |
タンク容量 | 16.6L |
車両重量(乾燥重量) | 168kg |
フレーム | スチールパイプ トレリスフレーム |
スイングアーム | アルミニウム シングルサイドスイングアーム |
フロントサスペンション | MARZOCCHI ø43mm 倒立フォーク |
リヤサスペンション | SACHS プログレッシブ・フルアジャスタブルシングルショック |
フロントブレーキキャリパー | brembo 4ピストン ラジアルマウントキャリパー |
フロントブレーキディスク | ø320mm フローティング ダブルディスク |
リヤブレーキキャリパー | brembo 2ピストン キャリパー |
リヤブレーキディスク | ø220mm シングルディスク |
フロントホイール・タイヤ | アルミニウムホイール 3.50″×17″ 120/70-17 |
リヤホイール・タイヤ | アルミニウムホイール 5.50″×17″ 180/55-17 |
グラフィック | パールショックレッド/パールアイスホワイト パールアビオグレー/カーボンメタリックブラック |